おはようございます。今日の安全朝礼を始めます。
皆さんに、先日発生したある労働災害の事例を共有します。とある化学プラントで、ボイラーの洗浄作業をしていた方が、作業後に身体の皮膚が赤くなり、目の充血を訴え、病院に運ばれました 。残念ながら、この方は3日後に亡くなってしまいました 。原因は、洗浄に使われていた化学物質、
1,4-ジクロロ-2-ブテン (1,4-DCB) が皮膚や目に付着したことによる薬傷です 。この作業員の方は保護具を着用していましたが、不十分だったと考えられています 。
この事故から、私たちが学べる教訓は2つあります。
保護具の適切な着用と管理を徹底しよう
まず、保護具の着用についてです。作業員の方は保護帽、防毒マスク、ゴム手袋、ゴム長靴などを身につけていましたが、それでも化学物質の侵入を防ぎきれませんでした 。もしかしたら、保護具に隙間があったり、素材が不浸透性ではなかったのかもしれません 。
私たちの現場でも、作業内容に応じた適切な保護具を選び、正しく着用することが極めて重要です。ヘルメットのあご紐をしっかり締める、安全帯を正しく装着するなど、基本中の基本を徹底してください。また、保護具の点検も怠らないようにしましょう 。劣化しているものや不具合があるものは、すぐに交換を申し出てください。
異変を感じたらすぐに作業を中断し報告しよう
次に、体調の異変についてです。この事故の被害者は、作業後に身体の赤みや目の充血に気づいています 。もし作業中に少しでも皮膚に刺激を感じたり、気分が悪くなったりした場合は、すぐに作業をやめてください。そして、必ず私か安全担当者に報告をお願いします 。
「これくらいなら大丈夫だろう」という自己判断は、大きな事故につながりかねません。自分の命を守る行動を最優先にしてください。
安全は、一人ひとりの意識と行動で守られます。今日も一日、無事故・無災害で作業を終えられるよう、皆で声をかけあい、安全確認を徹底しましょう。
以上で今日の朝礼を終わります。ご安全に!
引用・参考文献
○ 厚生労働省「職場のあんぜんサイト」労働災害事例:ボイラー洗浄時の1,4-ジクロロブテンのばく露による薬傷