皆さん、おはようございます。
今日は皆さんに、先日発生したある労災事故の事例を共有したいと思います。とあるダム建設現場での出来事です。排水管の工事をしていた作業員の方が、
墜落防止用の手すりを解体していた際、手すりとともに約10メートル下の水路に墜落し、命を落とされてしまいました 。
この事故の原因はいくつかありました。まず、
手すりが不安定な状態だったことです 。本来、交差する単管の接続には「直交クランプ」を使うべきところを、「自在クランプ」が使われていたため、少しの力で倒れてしまう状態だったのです 。また、
手すりの建地が擁壁に固定されていませんでした 。
さらに、作業員の方は
墜落制止用器具を付けていましたが、その取り付け先が、まさにこれから解体しようとしている手すりだった という問題もありました。解体作業の開始から終了まで、墜落の危険を防止するための十分な措置が取られていなかったんですね 。
私たちは、この事例から多くの教訓を学ぶ必要があります。
まず第一に、
作業前の確認を徹底しましょう。手すりや足場など、安全に関わる設備が正しく設置されているか、不安定な箇所はないか、二人一組で必ず確認し合う習慣をつけましょう。
第二に、
「安全装置を無効にする」ような行動は絶対にやめましょう 。今回の事例のように、解体する手すりに命綱をかけるような行為は、かえって危険です。作業内容に応じて、墜落制止用器具の正しい取り付け場所を確保し、それを確実に使用してください。
私たちの仕事は、一人ひとりの安全の上に成り立っています。たった一度の不注意が、取り返しのつかない事態を招くことを、決して忘れてはなりません。
今日も一日、「自分と仲間の安全は自分が守る」という強い意識を持って、皆で声を掛け合い、安全な作業をお願いします。よし、今日も一日頑張りましょう!
引用・参考文献
○ 厚生労働省「職場のあんぜんサイト」労働災害事例:ダム建設工事現場の排水管工事において、被災者が墜落防止用の手すりの解体作業中に、手すりと共に高所から墜落して死亡した