建設現場朝礼資料:生コンクリートによる化学熱傷事例
おはようございます!今日の安全講話
皆さん、おはようございます!
さて、今朝は皆さんにぜひ知っておいてもらいたい事例があります。これは他の現場で実際に起きた話なんですが、私たちの現場でも明日起こりうる、そんな身近な災害事例です。
実際に起きた災害の話
何が起きたのか
ある現場でのトンネル工事でのことです。底面にコンクリートを流し込む「インバート打設作業」というやつですね。皆さんもよくやる作業です。
作業員10名でいつものように作業をしていました。ところが、作業中にコンクリート成分を含んだ泥が長靴の中にじわじわと入り込んでいたんです。
ここが問題でした。作業員の皆さん、足に違和感を感じていたんですが「まあ、こんなもんだろう」と軽く考えていた。そして作業が終わっても、靴下を脱いで足を洗うこともしなかった。
結果はどうだったと思いますか?
なんと、5名もの作業員が化学熱傷と診断されてしまったんです。コンクリートで火傷ですよ。信じられますか?
なぜこんなことが起きたのか
私なりに分析してみました。
1つ目: コンクリートの危険性を甘く見ていた
- 「コンクリートなんて毎日触ってるから大丈夫」そんな油断があったんじゃないでしょうか
- 安全データシート?そんなの見たことない、という状況だった
2つ目: 保護具が不十分だった
- 長靴に穴が開いていた、サイズが合わなくて隙間があった
- 「ちょっとくらいなら大丈夫」という気持ちの緩み
3つ目: 作業中・作業後のチェックができていなかった
- 「なんか足がヒリヒリするな」と感じても放置
- 作業後の洗浄をおろそかにした
私たちは何を学ぶべきか
コンクリートは意外と危険な代物です
皆さん、コンクリートをただの「土」だと思っていませんか?
実は、コンクリートにはセメントが含まれています。このセメント、実は強いアルカリ性なんです。pH12以上もあるんですよ。これがどのくらい危険かというと、皮膚に長時間付着すると化学反応を起こして火傷になってしまうんです。
特に汗をかいた状態、濡れた状態の皮膚は要注意。アルカリが浸透しやすくなります。
今日から実践してほしいこと
保護具の点検を徹底しよう
- 長靴:穴や亀裂はないか、サイズは適正か
- 手袋:破れていないか、コンクリートが染み込まない材質か
- 作業着:肌が露出しない服装になっているか
作業中の気配りを怠るな
- 「なんか変だな」と感じたら、遠慮なく作業を中断する
- 同僚の様子もお互いにチェックしあう
- コンクリートが付着したら、その場ですぐに洗い流す
作業後の洗浄を必須にしよう
- 靴下を脱いで足もしっかり洗う
- 手洗いは石鹸を使って念入りに
- 「面倒だな」と思っても、火傷するよりマシです
まとめ:安全は一人ひとりの意識から
皆さん、災害というのは「まさか自分が」という時に起きるものです。
特に私たちがいつもやっている作業、慣れた作業にこそ落とし穴があります。コンクリート作業なんて日常茶飯事だからこそ、油断が生まれるんです。
でも、今日この話を聞いた皆さんは違います。コンクリートの怖さを知った。だから、今日から気をつけることができる。
安全第一というのは、ただの掛け声じゃありません。皆さん一人ひとりが家に帰って「今日も無事だったよ」と言える、そのための合言葉です。
家で待っている家族のためにも、一緒に働く仲間のためにも、そして何より皆さん自身のために。
今日も一日、ご安全に!
引用・参考文献
○ 厚生労働省「職場のあんぜんサイト」労働災害事例:コンクリート打設中に、生コンクリートが皮膚に付着し化学熱傷