死亡災害ゼロに向けて、現実的に動ける仕組みをつくりたい

アンゼンアンシン

「お金を稼ぎたいから」ではなく、
「世の中から死亡労働災害を無くしたい」──
その一心で、セーフワークコンサルタントとしての起業を考えています。

ただ、想いだけでは続けられない。
安全衛生活動を、持続可能なものにするための仕組み(スキーム)が必要です。

今、まさにその構想を試行錯誤しているところです。
今回は、その途中経過としての「考えていること」を整理してみます。

小規模事業場こそ、災害が多い

労働災害、特に死亡災害が発生している現場を調べてみると、
従業員30人未満の事業場が圧倒的に多いことがわかります。

でも、そういった企業には「安全の専任担当者」もいなければ、
「教育や指導にお金をかける余裕」もないことがほとんどです。

一方で、元請企業や大手企業には、
「安全は当然」「下請けにもきちんと社員を教育してほしい」という意識があります。
ただ、現場を訪ねてみると、その思いがなかなか届いていないのが現状です。

「お金がないから何もできない」を、なんとかしたい

小規模な事業場に「安全教育を受けてください」「巡視を受けてください」と言っても、返事はよくても、「うちは人が足りない」「今、資金的に厳しい」などと思ってすぐ行動に移れないような状況も認あるのではないでしょうか。

そこで、今考えているのが、
お金の出し手を変えるという方法。

つまり、支援を受ける企業からではなく、
元請企業や協議会、地域の団体などが“安全投資”として支える仕組みをつくれないかということです。

仮タイトル:「セーフワーク・パートナー制度」

現時点でのぼんやりとした構想ですが、以下のようなスキームを考えています。

  1. 元請企業や商工団体などから一定額を拠出してもらう
  2. そのお金で、「セーフワーク基金(仮称)」を運営
  3. 小規模な協力会社や地域企業に対して、無償または低額で安全支援を実施

こうすれば、

  • 資金の負担は安全投資と捉えやすい
  • 下請企業は、負担なく支援を受けられる
  • 災害リスクが下がるので、全体にとっても得になる

そんな“安全の循環”が生まれるのではないかと考えています。

とはいえ、まだまだ現実的な壁もある

実際には、

  • 元請企業にどう理解してもらうか
  • 協議会でどう合意形成を取るか
  • 小規模事業場にどう声を届けるか

といったハードルが山ほどあります。

支援の内容も、巡視だけでいいのか、教育が必要なのか、
どうやって継続的に習慣化するのか……まだ明確に答えが出ていないことばかりです。

「理想」ではなく「現場が動く仕組み」をつくるために

私は、現場の現実をよく知っているつもりです。
理想だけでは、現場は変わらない。現場で動けるしくみが必要です。

大きな組織から卒業して個人として活動するからこそ、自分ができる範囲で試して、動かして、また考える。
そんなふうに、スキームを形にしていくことができるのではないかと思っています。

小さな現場から、命を守るために

セーフワーク活動は、本当にこれからです。
これからどう形にしていくか──それも含めて、考えていることを備忘録の意味も含めてご報告していきます。

「こういう仕組みなら動くかも」
「うちの会社で試してみてもいいよ」
もし、そんな声があれば、ぜひ教えてください。


余力のある会社や団体が、手の届く範囲で仲間のいのちを守る。
そのための「しくみ」を、一緒につくっていけたらと思っています。