建設現場朝礼資料:安全第一の基本と現実
【土木工事向け】「基本を守る」ことの重要性 – 他県の警告を我がことと捉える
皆さん、おはようございます!
今朝は、少し遠くの話から始めますが、決して他人事ではない、私たちの安全に直結する話をします。
高知県で、今年に入ってから労働災害で亡くなった4人のうち、実に3人が私たちと同じ建設業の仲間だったというニュースがありました。これを受けて、高知労働局が「もう一度、基本に立ち返ってくれ」と、異例の緊急要請を出したそうです。
「他人事」という最も危険な考え方
「高知の話だろう?」そう思った人はいませんか?その考えが、一番危険なんです。
事故が多発している原因は、何か特別なことじゃない。作業手順の不遵守や安全管理体制の不備といった、ごくごく基本的なことの積み重ねだと言われています。これって、どこの現場でも起こりうることですよね。
私たちの現場を見つめ直そう
私たちの現場を振り返ってみてください。正直に答えてほしい。
- 重機を動かす前の、ほんの少しの周囲確認を怠っていませんか?
- 土砂の掘削で、決まった勾配や土留め支保工の設置を「これくらいなら」と省略していませんか?
- 慣れた作業だからと、仲間との合図や声かけを曖昧にしていませんか?
謙虚な姿勢こそが命を守る
高知で起きている問題は、日本のどこの現場で起きてもおかしくない、私たち自身の問題です。一つの現場で事故が続けば、それはその地域の建設業全体の気の緩みの表れかもしれません。
「うちは大丈夫」という過信を捨てましょう。他県の警告を、自分たちへの直接のメッセージとして真摯に受け止める。そして、今日もう一度、作業手順書を手に取り、基本中の基本を、ゼロから確認する。その謙虚な姿勢が、私たちを事故から守ってくれます。
自分の作業は手順書通りか?仲間の動きに危険はないか?お互いに厳しくチェックし合っていきましょう。
【建築工事向け】墜落・転落災害ワースト1からの脱却 – 「まだ大丈夫」は、もう通用しない
皆さん、おはようございます!
今日は、皆さんに少し厳しい現実をお話しなければなりません。
変わらない不名誉な記録
最新の労働災害のデータを見ても、私たち建設業で最も多くの命を奪っている災害は、残念ながら今も昔も「墜落・転落」です。これは、もう何年も変わらない不名誉なワースト1位なんです。
「またその話か」と思うかもしれません。でも、聞き飽きた話だからこそ、私たちの心に隙が生まれるんです。
小さな油断が招く大きな事故
- 「このくらいの高さなら、ハーネスは面倒だ」
- 「手すりが少しぐらついているけど、寄りかからなければ大丈夫だろう」
- 「開口部の養生、ちょっとずれてるけど、後で直せばいいか」
この「大丈夫だろう」という小さな油断。これこそが、仲間を、そして自分自身を危険に晒す一番の原因です。
ルールの意味を理解することの大切さ
国も、フルハーネス型安全帯の着用を義務化し、足場の安全基準を厳しくするなど、様々な対策を講じています。でも、ルールだけあっても、私たち一人ひとりがそれを「自分自身の命を守るための最後の砦だ」と本気で思わなければ、意味がありません。
考えてみてください。高さ2メートルの脚立からでも、打ち所が悪ければ命を落とします。フルハーネスを付けていても、フックをかけていなければ、それはただの重いベストです。
今日から実践すべきこと
今日、作業を始める前にもう一度、自分の装備と作業場所を確認してください。
- ハーネスのベルトに緩みはありませんか?D環は背中の正しい位置にありますか?
- フックをかける親綱や手すりの強度は、本当に信頼できますか?
- 自分が作業する足場に、不要な物やゴミは落ちていませんか?
経験は過信の温床になる
「自分は慣れているから大丈夫」という過信は、今日この場で捨ててください。経験豊富なベテランも、入ったばかりの若手も、墜落の危険の前では皆平等です。お互いに声を掛け合い、装備のチェックをし合い、不安全な箇所はすぐに改善する。
私たちが変えるべき未来
「墜落・転落災害ワースト1」。この不名誉なレッテルを、私たちの手で過去のものにしましょう。
安全は、一人ひとりの意識の積み重ねです。今日から、新しい気持ちで基本に立ち返り、お互いの命を守っていきましょう。