建設現場朝礼 – 安全への備えと資材管理
【土木工事向け】電柱工事の事故事例から学ぶ「万が一」への備え
皆さん、おはようございます!
今朝は、私たちの作業に直結する、本当に身の引き締まる話をさせてもらいます。
先日、東京都内で電柱の変圧器を交換する作業中に、その重い変圧器が落下して、下で作業していた方が亡くなるという、本当に痛ましい事故が起きました¹。
「吊り荷の下に入るな」
これはね、私たちがこの業界に足を踏み入れてから、もう耳にタコができるほど聞かされてきた言葉です。でも皆さん、この事故は単にその基本ルールだけでは防げない、もう一歩踏み込んだ危険を私たちに教えてくれています。
事故の詳しい原因はまだ調査中ですが、吊り上げ中だったのか、設置しようとしていたのか、いずれにしても重量物を扱っている最中での出来事です。私たちが日常的にやっている、ヒューム管の設置、ハンドホールの据え付け、配電盤の交換。これらすべてに、同じ危険が潜んでいるんです。
ちょっと考えてみてください。
- 「ボルトを締める前に、仮置きした部材がずれたら?」
- 「古い設備を撤去する時、予想外の部分が劣化していて、突然崩れたら?」
吊り上げる瞬間だけが危険じゃないんです。重量物を「置く瞬間」、そして「固定するまでの間」、そこには常に「万が一」の危険が存在しています。
だから今日、皆さんに徹底してもらいたいのは、この2つです。
1. 作業手順の再確認
重量物を扱う前には、必ず手順書に目を通してください。自分の役割と全体の流れを、毎回再確認する。「いつもやってるから大丈夫」って慣れが、確認作業を怠らせるんです。でもその一手間が、事故を防ぐ最後の砦になります。
2. 万が一の退避経路の確保
もし、万が一、重量物が予期せぬ動きをした時、あなたは瞬時に安全な場所へ避難できますか?作業前に、自分の周囲をぐるっと見渡して、「もし今、これが落ちてきたら、自分はどこへ逃げるか」をシミュレーションしてください。
私たちの仕事は、常に危険と隣り合わせです。でも、その危険を予知して、しっかり備えることで、事故は必ず防げます。自分の命、そして仲間の命を守るために、基本に立ち返って、慎重すぎるくらいの意識で作業に臨みましょう。
【建設工事向け】ガラス板の転倒事故に学ぶ「資材の特性」を理解した安全管理
続いて、資材の「仮置き」について話をします。
先日、万博の建設現場で、仮置きされていたガラスの板が倒れて、作業員の方が足を挟まれる事故がありました²。幸い大事には至らなかったようですが、一歩間違えれば、切断という大事故につながっていたかもしれません。
「また仮置きの話かよ」って思った方もいるでしょう。でも今回の事故は、私たちに本当に重要な教訓を与えてくれています。それは何かというと、「すべての資材は、その特性が違う」ということです。
例えば、石膏ボードやコンパネと同じ感覚で、ガラスを壁に立てかけていませんか?
ガラスの特性を考えてみてください。
- 重くて、重心が高い
- 表面が滑りやすくて、少しの傾きや振動で倒れやすい
- そして、一度倒れれば凶器に変わる
風が吹いたら?近くで重機が動いて振動が伝わったら?誰かが軽くぶつかったら?
私たちは資材をただ「置く」んじゃなくて、その資材の特性をしっかり理解した上で「安全に保管する」義務があるんです。
だから今日、皆さんに実践してもらいたいのは、「資材に合わせた仮置き方法の徹底」です。
1. 平置きを基本とする
立てかけるのが一番危険です。可能な限り、資材は寝かせて置くことを徹底してください。特にガラスや重量のある板材は、絶対に平置きが原則です。
2. やむを得ず立てかける場合は、必ず固定する
どうしても立てかける必要がある場合は、単に壁に寄りかからせるだけじゃダメです。必ずロープや専用の固定具を使って、壁や柱にしっかり固定してください。
3. 仮置き場所を全員で共有する
どこに、何を、どのように置いているか、チーム全員で情報を共有しましょう。「あそこには倒れやすいものがある」って全員が認識していれば、不意の接触事故を防げます。
資材の整理整頓は、単に現場を綺麗にするためだけじゃありません。私たち自身を、予期せぬ危険から守るための、最も基本的で重要な安全対策なんです。
自分の作業エリアだけじゃなくて、周りの資材の置かれ方にも気を配って、危険を感じたらすぐに声をかけ合っていきましょう。
今日も一日、ご安全に!
引用・参考文献
¹ 東京都文京区における電柱工事中の変圧器落下事故に関する報道(2025年4月)
² 大阪・関西万博会場建設現場におけるガラス板転倒による労働災害に関する報道(2025年3月)