朝礼スピーチ:掘削作業での安全対策について
はじめに
おはようございます! 今日も一日、皆さんと一緒に安全第一で作業を進めていきましょう!
実際に起きた事故の話
今朝は、皆さんに是非とも聞いていただきたい話があります。 太陽光発電の設置工事で起きた、本当に悲しい事故の話です。
現場では排水管を埋めるため、深さ3.5メートルの溝を掘っていました。 作業員の方が溝の底で整地作業をしていた時のことです。 突然、斜面が崩れ落ちて土砂に埋もれてしまい、尊い命を失ってしまいました。
その方はきちんとヘルメットも着用していました。 でも、それでも防ぐことはできなかった。 それくらい、土砂崩れは恐ろしいものなんです。
事故の原因を考えてみよう
この現場の地質は「まさ土」、つまり風化花崗岩でした。 皆さんもご存知の通り、この土は非常に崩れやすい性質があります。
法令では、こうした土質での掘削斜面は45度以下にするよう定められています。 ところが実際はどうだったか。 作業計画では73.3度となっていましたが、現実にはなんと80度近い急角度になっていたんです。 これじゃあ、崩れるのは時間の問題でした。
さらに悪いことに、溝のすぐ近くで重機が作業していました。 その振動も崩壊の引き金になったと考えられています。
私たちが絶対に守るべきこと
1. 地盤の確認は基本中の基本
掘削作業の前には、必ず地盤の状況をチェックしてください。 「大丈夫だろう」という思い込みは禁物です。 地質によっては、いつ崩れてもおかしくないことを肝に銘じておいてください。
2. 土止め支保工を忘れずに
今回の事故現場では、土止め支保工が計画にも現場にもありませんでした。 これは致命的なミスです。 掘削面が2メートルを超える場所では、必ず作業主任者を選任し、適切な支保工を設置する。 これは当たり前の手順です。
3. 危険な場所には絶対に近づかない
今回の事故でも「危険な場所への接近」が人的要因として挙げられています。 少しでも「おかしいな」「危ないかも」と感じたら、迷わず作業を止めてください。 そして、すぐに私たち上長に報告してください。
最後に
皆さん、私たちは毎日こうして朝礼をやっています。 なぜだと思いますか? それは、皆さん一人ひとりの命を守りたいからです。 家族の元に、無事に帰ってもらいたいからです。
今日の作業でも、危険を甘く見ることなく、お互いに声を掛け合いながら進めていきましょう。 何か気になることがあったら、遠慮なく私に声をかけてください。
それでは今日も一日、ご安全に!
引用・参考文献
○ 厚生労働省「職場のあんぜんサイト」労働災害事例:配水管埋設準備のため、掘削溝内で底面を均す作業中、溝の法面が崩壊して土砂に埋もれて死亡した