朝礼スピーチ:土止め支保工事故から学ぶ安全管理の徹底
おはようございます
今日も一日、安全作業でいきましょう。
皆さん、今朝は少し重い話になりますが、しっかり聞いてください。
痛ましい事故が起きました
先日、下水道管の更新工事現場で、胸が痛む事故が発生しました。
道路を開削して、土止め支保工を設置した後の話です。掘削底で作業していた作業員が、突然の支保工崩壊に巻き込まれました。2本の腹起しの間に首を挟まれ、お一人の方が亡くなられたんです。
亡くなられたのは、協力会社の現場代理人でした。
私たちと同じ、現場を取りまとめる立場の方です。作業の危険性を誰よりも分かっているはずのプロが命を落とした。この事実を、私たちは重く受け止めなければなりません。
なぜ、こんな事故が起きたのか
原因として考えられるのは、施工計画の不徹底と情報共有の不足です。
まず一つ目。協力会社の現場代理人が、ボーリング調査結果に基づいた施工計画書通りに支保工を設置しなかった。矢板の種類や打ち込み方法が、計画から逸脱していた可能性が高いんです。
二つ目。元請けと協力会社の間で、連絡調整が不十分だった。当日の作業予定、資材の準備状況、こういった情報が十分に伝わっていなかったんですね。
「作業方法の欠陥」と「安全措置の不履行」。あってはならない管理上の問題が重なった結果です。
私たちの現場で徹底すべきこと
この教訓を活かして、絶対に同じ過ちを繰り返さない。そのために、3つのことを徹底してください。
1. 施工計画書を遵守する
土止め支保工の組み立ては、必ず施工計画書と組立図通りに実行してください。
少しでも計画と違う工法を取る必要が出たら、作業を止めて私に報告してください。勝手な判断で工法を変更することは絶対に許しません。
2. 連絡調整を密にする
元請けと協力会社の間で、情報をしっかり共有しましょう。
今日の作業内容、工法、使用資材の状況。毎日の朝礼や作業開始前の打ち合わせで、確実に確認し合ってください。特に支保工など、人命に関わる重要構造物については入念なチェックをお願いします。
3. 違和感を声に出す
もし現場で「おかしいな」「危ないな」と感じたら、遠慮せずに作業を中断してください。
すぐに声を上げてください。あなたの気づきが、自分や仲間の命を守る盾になります。「言いづらいな」なんて思わなくていい。私がそう言っているんですから。
最後に
この工事を無事故で終えて、皆さんが健康でご家族の元へ帰れるよう、私は全力でサポートします。
それが現場代理人としての私の責任です。
本日の作業も、ご安全に!
引用・参考文献
○ 厚生労働省「職場のあんぜんサイト」労働災害事例:道路を開削して土止め支保工を設置後、掘削底に入って作業中、土止め支保工が崩壊して2本の腹起しの間に首が挟まれ、1名が死亡