建設現場朝礼スピーチ:トンネル工事における一酸化炭素中毒災害の教訓
みなさん、おはようございます!
今日も一日、安全第一でいきましょう。
さて今日は、皆さんにぜひ知っておいてほしい労災事例があります。トンネル工事中に起きた一酸化炭素中毒の災害です。
事故の概要
この事故は、すでに貫通していて覆工も済んでいるトンネルで起きました。路盤のコンクリート舗装作業中の出来事です。
坑口から300メートルから450メートルくらいの場所。そこで作業していた労働者と事業主、合わせて26名が被災しました。何にやられたかというと、コンクリート舗装用の機械から出る排ガスです。その中の一酸化炭素にやられてしまったんですね。
結果、7名が体調不良を訴えて救急搬送されました。診断は一酸化炭素中毒です。
路盤舗装なんて、道路工事では当たり前の作業ですよね。だからこそ、この事例は他人事じゃない。明日は我が身なんです。
なぜこんな事故が起きたのか
原因はいくつかあります。
まず、換気状態の把握が甘かった。トンネル内は気温や気圧の変動が激しい場所です。そこでエンジンを使う機械を動かしているのに、換気の確認がおろそかになっていた。これが一つ目。
次に、一酸化炭素の危険性を軽く見ていたんです。有害性や予防策について、事前の検討がされていませんでした。
それから、作業員への教育不足。一酸化炭素中毒を防ぐための労働衛生教育が実施されていなかったんですね。
さらに悪いことに、この現場では貫通したトンネルの出入口を遮風シートで覆っていました。結果的に、これが中毒のリスクを高めてしまった。
そして、有効な呼吸用保護具も着用させていなかった。これも大きな問題です。
私たちがやるべきこと
こんな事故を二度と起こさないために、今日の現場では以下を徹底します。
1. 一酸化炭素濃度の常時計測
内燃機関を持つ機械を使う場合、必ず一酸化炭素濃度を測ってください。必要に応じてガス検知警報装置も設置します。
2. 内燃機関の使用制限
換気が不十分な場所では、原則として内燃機関の機械は使いません。もしどうしても使わざるを得ない場合は、換気装置を使って必ず換気しましょう。
3. 呼吸用保護具の着用
作業内容によっては、有効な呼吸用保護具の着用が必要です。面倒がらずにきちんと着けてください。
4. 作業手順書の遵守
私たちは今回の事例を教訓に、一酸化炭素中毒予防対策を盛り込んだ作業手順書を作っています。これに従って作業を進めていきます。
5. 労働衛生教育の実施
皆さん一人ひとりに、しっかりと労働衛生教育を実施していきます。
最後に
体調に異変を感じたら、遠慮なくすぐに申告してください。「このくらい大丈夫」は命取りです。
休憩時間も十分にとりながら、全員で安全な作業環境を作り上げていきましょう。
今日も一日、ご安全に!
引用・参考文献
○ 厚生労働省「職場のあんぜんサイト」労働災害事例:トンネルのコンクリート舗装作業中、一酸化炭素中毒となり入院