建設現場朝礼スピーチ – エンジンカッター安全作業について
はじめに
皆さん、おはようございます!
今朝は、私たちが絶対に忘れてはいけない労働災害の事例をお話しします。これは実際に起きたヒューム管切断作業での死亡事故です。
事故の概要
排水管工事の現場でのことでした。作業員がエンジンカッターでヒューム管を切断していたんです。
ヒューム管って、皆さんもご存知の通り、一度に切り切れないので半分ずつ切るのが基本ですよね。問題は2回目の切断でした。
切り込みの角度がずれてしまって、管の裏側まで切ることになってしまった。そのとき、一番やっちゃいけないことをしてしまったんです。
エンジンカッターの刃の上部を使って切断してしまったんですね。
すると、どうなったか。研削刃がヒューム管と切り口に挟まれて「キックバック」が発生。刃が勢いよく跳ね上がって、作業員の首に直撃してしまいました。
病院に搬送されましたが、残念ながら命を救うことはできませんでした。
なぜこんな事故が起きたのか
原因を整理すると、3つのポイントがあります:
- 危険な刃の部分を使用 – 跳ね上がりやすい刃の上部で切断
- ヒューム管が未固定 – 切断物がしっかり支持されていなかった
- 危険な立ち位置 – 研削刃の延長線上に身体があった
どれか一つでも守れていれば、この悲劇は防げたはずです。
今日から実践する安全作業のポイント
1. エンジンカッターは「下部4分の1」で切断
刃の上部は絶対に使わない。下部4分の1の部分を使って、確実に切断しましょう。これは鉄則です。
2. 切断物は必ず固定する
枕木などを使って、切断するものをガッチリ固定してから作業開始。動くものを切るなんて、もってのほかです。
3. 立ち位置を意識する
万が一キックバックが起きても大丈夫なように、研削刃の延長線上には絶対に立たない。カッターは体の横に抱えるような感じで作業してください。
4. 作業前の確認を徹底
作業標準書の確認は必須です。手順や禁止事項を全員で共有してから作業に入りましょう。
最後に
皆さん、この事故は決して他人事じゃありません。
私たちの現場でも、明日にでも起こりうることです。でも、今日お話しした対策をしっかり守れば、絶対に防げます。
皆さんが無事に家に帰ること。それが私たち現場の一番の目標です。
ちょっとした油断や慣れが、取り返しのつかない結果を招きます。常に「もしも」を頭に置いて、全員で声を掛け合いながら作業していきましょう。
今日も一日、ご安全に!
引用・参考文献
○ 厚生労働省「職場のあんぜんサイト」労働災害事例:ヒューム管を切断中にエンジンカッターが跳ね上がり、研削刃の一部が被災者に接触して死亡した