建設現場朝礼スピーチ – 耐震補強工事事故から学ぶ安全対策
はじめに
皆さん、おはようございます。
今日はちょっと重い話になりますが、しっかりと聞いてください。先日、高速道路の耐震補強工事で本当に痛ましい事故が発生しました。
掘削作業中に法面が崩落して、作業員の方2名が命を落とされたんです。亡くなられたお二人のご冥福を心からお祈りします。
なぜこんな悲しい事故が起きてしまったのか。皆さんと一緒に真剣に考えていきましょう。
事故の原因分析
この事故の根本的な原因、それは作業計画書通りに作業が行われなかったことなんです。
具体的に何が起きたかというと:
1. 危険な掘削方法
- 崩落の危険があるのに、急勾配で一気に掘削してしまった
- 本来なら段階的に、慎重に掘るべきだったんです
2. 土止め支保工の軽視
- 土止めを設置する前に作業員が溝の中に入ってしまった
- これは絶対にやってはいけないことです
3. 知識・技術の不足
- 土止め支保工の専門知識を持った人がいなかった
- そのため、適切な作業手順書も作られていなかった
4. 地質への無関心
- 掘削箇所が砂質土で崩れやすい状況だった
- それなのに、この危険性が安全ミーティングで話し合われていなかった
- 適切な安全対策の指示もなされていなかった
私たちが学ぶべき教訓
この痛ましい事故から、私たちは何を学ぶべきでしょうか。
1. 事前準備の徹底
作業を始める前に、必ず作業手順書や計画書を確認してください。 そして、その内容を全員で共有する。これが基本中の基本です。
2. 計画遵守の重要性
計画書に沿って作業を進める。当たり前のことですが、これができていなかった。 崩落の危険がある場所では、必ず土止め支保工を設置してから作業に入る。これは絶対のルールです。
3. 有資格者による指揮
土止め支保工を組み立てる際は、資格を持った作業主任者の直接の指揮のもとで作業を行う。 これを徹底してください。
4. 危険予知の共有
地質や現場の状況について、みんなで情報を共有する。 一人で抱え込まず、気になることがあったら必ず声に出してください。
まとめ
皆さん、安全は一人ひとりの意識から始まります。
危険を察知する目を養い、ルールを守って行動する。そうすれば事故は必ず防げます。
全員で安全意識を高めて、無事故で今日の作業を終えましょう。
今日も一日、ご安全に!
引用・参考文献
○ 厚生労働省「職場のあんぜんサイト」労働災害事例:高速道路の耐震補強工事において、掘削溝内での作業中に法面が崩壊して、作業員2名が土砂に埋もれて死亡した