非営利でもお金は必要
開業にあたり、シンプルで明確な報酬基準を設定したいと考えています。生計を立てるために必要な最低限の報酬と事務所の固定費を基に単価を計算する、そんなシンプルな方法です。
営業活動はホームページやチラシのみとし、連絡手段もメールやチャットのみにする予定です。実は、昔から電話があまり得意ではないのです。そのため、開業直後は依頼もほとんどないでしょう。数ヶ月、場合によっては数年間は「開店休業」状態を覚悟しています。
将来のビジョン
もし依頼が増えてきたなら、将来的には「経済活動の活性化を図る活動」と「職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動」を活動分野とした非営利型一般社団法人を設立し、専門知識を活かせる定年後の人材と共に、次のような社会課題に取り組む組織を作りたいと考えています。
- 労働災害防止
- ハラスメント防止
- 外国人雇用におけるトラブル防止
最終的には公益社団法人への発展も視野に入れており、軌道に乗ったところでヨボヨボになっていると思うので、誰かにバトンタッチできれば理想的です。
報酬基準の考え方
基準となる数値
このまま再雇用された場合と同等の収入を確保することを目指して、わが国の定年再雇用者の平均月収を基準とします。依頼を受けて訪問し、1日の業務を行う場合、その前後に準備日とまとめの日が必要になるため、1回の業務は3日間かかると想定します。
- 60歳再雇用者の平均月収:447,500円
- 1日あたり:22,375円(20日稼働と仮定)
- 1回あたり(3日分):67,125円 ①
- 事務所の固定費:320,000円/月
- 1日あたり:16,000円
- 1回あたり(3日分):48,000円 ②
➡️ 業務1回あたりの総コスト:115,125円(①+②)
※固定費は家賃、光熱費、通信費、委託費、人件費などを含めた概算です。
この計算に基づくと、月6~7件の依頼があれば、定年後再雇用者と同程度の収入を得ることができます。
旧社会保険労務士報酬基準からの参考
2000年頃まで存在していた旧社会保険労務士報酬基準も参考にします。
- 調査報酬(8時間):80,000円(③)
- 北海道の最低賃金上昇率(2000年→2024年):160%
- 現在価値に換算した金額:128,000円
この金額は、先ほどの総コスト(115,125円)からみると、ちょっと高い金額です。
個人事業として事務所を維持しつつ、人並みの収入を確保するためには、1回あたり12万円程度の報酬が必要であることがわかります。
最終的な報酬基準
報酬の考え方に基づいて検討した結果、次のようにすることにしました。
自社で依頼する業務にかかる時間数を大雑把に見積もっていただければ金額が算定できるので、いくら請求されるかの不安がないかと思います。費用としてかかるのは日数分の報酬、旅費、実費(資料が必要ならば印刷代、パワーポイントを使用するなら機材のレンタル台)ぐらいです。事務所は北海道の札幌市に置く予定ですので、そこからの移動時間で考えてください。
- 1日あたり(8時間以内、移動・休憩含む):120,000円(税抜)
- 短時間(1時間程度)の依頼でも1日分の料金を適用
- 例:朝8時に事務所から出張し、業務を行って夜の21時に事務所に到着した場合、13時間なので2日分となります。(それだったら業務終了後の時間はカウントしないつもりですので、1日目安全大会、2日目現場巡視で往復16時間となるようにした方が得ですね。おそらくその場合の移動時間計算は負担が少ないのでアバウトにすると思います。)
複数企業での対応
報酬金額の負担を抑えたい場合は、複数の企業で共同で依頼いただくこともできます。その場合、1日あたり12万円の範囲で何社でも対応可能です。これは、家族経営の個人事業だからこそできる柔軟な対応です。
対応社数 | 報酬額(1社分) | 消費税 | 源泉徴収額 | 支払額 |
---|---|---|---|---|
1社対応 | 120,000円 | 12,000円 | 12,252円 | 119,748円 |
2社対応 | 60,000円 | 6,000円 | 6,126円 | 59,874円 |
3社対応 | 40,000円 | 4,000円 | 4,084円 | 39,916円 |
4社対応 | 30,000円 | 3,000円 | 3,063円 | 29,937円 |
5社対応 | 24,000円 | 2,400円 | 2,450円 | 23,950円 |
10社対応 | 12,000円 | 1,200円 | 1,225円 | 11,975円 |
12社対応 | 10,000円 | 1,000円 | 1,021円 | 9,979円 |
- 源泉徴収額の計算式:報酬 × 10.21%
- 支払額:報酬 + 消費税 – 源泉徴収額
顧問契約について
- 月1回訪問 × 年間契約の顧問契約も可能(固定費確保目的なので3社程度に限定予定)。
- 例:1社で報酬36万円(最大月3回訪問)の顧問契約もありです(その場合は先着1社に限定予定)。
- これにより、安定した収入基盤を確保しつつ、遠隔地の小規模企業支援にも注力できます。労働災害は危険を意識するだけで被災率は下がります。是非お声がけください。
その他の条件
- すべての業務は日数換算で見積もり(複雑な業務以外は基本的に1日単価でOKのはずです)
- 旅費(交通費(JR・バス・航空便)・宿泊費)は別途請求。
- 源泉徴収について:面倒に感じるかもしれませんが、士業の場合、法律に基づく義務です。非営利型一般社団法人設立まではご理解ください。
まとめ
見積もり不要のシンプルな報酬基準としました。
現在、大卒初任給が平均23万円を超える時代です。この基準は「質を落とさず、必要な準備時間を確保しながらも適正な価格」であることを目指しています。
労災事故や職場トラブルが1件でも減らせるなら、それが最大の報酬です。