安全衛生活動にパワハラは必要ありません
日々の安全衛生活動は、すべての人の命と健康を守るために行います。
年齢や立場に関係なく、職場で働く全員が対象です。
だから、威圧的な指導や感情的な言動はふさわしくないのです。
命を守る行動には尊重が伴います
安全衛生活動は、事故を防ぐための取り組みです。
作業手順や行為を改善することが目的であって、個人を責めるものではありません。
「ばか」や「アホ」など、人格を傷つける言葉は厳禁です。
もし、つい出てしまう言葉があるなら、自覚して改善を心がけましょう。
行動への指摘は明確かつ冷静に
安全に関する指摘は「人」ではなく「行為」に対して行います。
「そのやり方には○○な課題があります」と具体的に伝えましょう。
「あなたはダメだ」と全人格を否定する言葉は不要です。
相手の立場や経験を尊重しつつ、望ましい手順を明示して定着させることが重要です。
危険な場面では声を張ることも必要です
危険を察知したときは、とっさに大きな声で注意することがあります。
例えば、墜落や挟まれそうな場面では、即座に「止まって!」と声を出すこともあるでしょう。
これは相手の命を守るための行動であり、パワハラとは本質的に異なります。
とはいえ、「大声=威圧された」と受け取る人がいるのも事実です。
そこで、次のことを職場で共有しておきましょう。
- 危険防止のための大声は許容される
- 発声の理由を明確にできるように準備する
- 注意後に落ち着いた声でフォローする
こうした対応によって、誤解を減らし、安全活動が円滑に進むことが期待できます。
パワハラに該当する言動は安全の妨げになります
日常的に高圧的な口調や感情的な叱責が行われると、相互の信頼関係が損なわれます。
その結果、行動を改めて欲しい人に緊張や萎縮が広がり、注意力が落ちてヒヤリ・ハットにつながりやすくなります。
そのような言動は、安全の観点からも明確に排除しなければなりません。
安全衛生活動に求められる姿勢
- 相手を見下す言葉は使わない
- 感情をぶつける場所にしない
- ミスをした人を全否定しない
- 指導は冷静に行う
- 互いに話し合う姿勢を持つ
- 笑顔やあいづちを意識する
職場全体で安心できる環境を作る
安全衛生活動は、役職に関係なく全員が参加するものです。
誰でも声を出せる雰囲気が、事故の芽を早期に摘む鍵となります。
上司も部下も、お互いに敬意をもって接しましょう。
最後に
安全衛生活動は、恐怖や威圧ではなく、信頼と協力によって支えられます。
相手の心を傷つける言葉をなくし、必要なときには毅然とした注意も忘れない姿勢が大切です。
パワハラを恐れて必要な指導を躊躇してしまうようでは、職場の安全は守れません。
現場で働く一人ひとりが「いい仕事をする」を意識して、職場の安全を支えましょう。
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