発電機は、停電や災害時に電気を供給する便利な装置ですが、屋内で使用すると大変危険な機械です。エンジン式の発電機は燃料を燃やして動くため、一酸化炭素や窒素酸化物などの有害なガスを発生します。これらのガスは無色無臭で、人間の感覚では気づきにくいですが、吸い込むと頭痛やめまい、吐き気などの症状を引き起こし、重い場合は死に至るという『一酸化炭素中毒』になることもあります。
一酸化炭素は酸素よりもヘモグロビンと200倍以上も結びつきやすい性質を持っています。 このため一酸化炭素があるとヘモグロビンは酸素と結びつくことができず、血中の酸素が不足してしまいます。つまり、一酸化炭素による酸素欠乏症が発生してしまうという恐ろしい事態を招きます。
使用上の注意
屋内に置くことは厳禁です。排気ガスが室内に入ってこない屋外に置いて、電源ケーブルをそこから伸ばして使用しましょう。
また、発電機は火気にも注意しなければなりません。発電機の近くに可燃物があると引火する恐れがありますし、発電機自体も過熱や故障で発火する可能性があります。
対策
- 発電機に大きく『屋内使用禁止』の剥がれないステッカーを貼っておく
⇒「ちょっとぐらい大丈夫」を思いとどまらせるため - 発電機と同じ場所に30m電源コードリール(電工ドラム)を置き、セット持出しを必須とする
⇒電源コードが届かなくて屋内に置いてしまうことがあります。 - 雨や雪用のワンタッチテントもできれば一緒にしておく
⇒雨や雪による故障や感電防止のために屋内に置いてしまうことがあります。
どうしても屋内で使用したいとき
危ないからやめましょう。
一酸化炭素は無色無臭で空気と同じぐらいの比重です。どこで濃い濃度で滞留しているかわかりませんよ。酸欠は『一息コロリ』と言われています。一息で意識を失って倒れるからです。濃度は見えないので、酸欠空気を一気に吸い込んでしまうかもしれませんよ。
どうしても使わなければならないですか? それならば、送風機と排風機を使って換気を十分にしながら一酸化炭素濃度を測りながら作業をしましょう。
まとめ
- 内燃機関を有する機械のエンジン式発電機を使用する屋内は危険場所になります
- 一酸化炭素中毒で毎年死亡事故が発生しています
- 持ち出すときに安全に使用するような工夫をしておきましょう
- どうしても屋内で使うときは、送風機と排風機をセットで使用して一酸化炭素濃度を下げましょう
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