『危険マップ』とは
職場の平⾯図等に労働災害発⽣の危険のおそれのある箇所を明⽰して、注意を喚起するためのものです。
なぜこれを作成するかというと、職場の危険をを可視化(見える化)して、従業員全員で共有することによって、危険性を常に意識しながら作業を行い事故を防止するためです。
『危険マップ』でどのくらい事故を防げる?
令和4年の全国の労働災害発生件数は次の図のとおりです。
事故の型 | 件 数 |
---|---|
墜落・転落 | 20,620 |
転倒 | 35,295 |
激突 | 7,047 |
飛来・落下 | 6,065 |
崩壊・倒壊 | 2,049 |
激突され | 5,694 |
はさまれ・巻き込まれ | 14,099 |
切れ・こすれ | 7,500 |
踏抜き | 225 |
おぼれ | 18 |
高温・低温物との接触 | 3,073 |
有害物との接触 | 545 |
感電 | 99 |
爆発 | 56 |
破裂 | 46 |
火災 | 70 |
交通事故(道路) | 6,773 |
交通事故(その他) | 94 |
動作の反動・無理な動作 | 20,879 |
その他 | 1,859 |
分類不能 | 249 |
合計 | 132,355 |
事故の型から考えると、ほとんどの災害は危険箇所とひも付けすることができます。それが難しい「動作の反動・無理な動作」、「その他」、「分類不能」の件数を除くと82.6%の災害が危険箇所を明確にすることで発生を防ぐことができると考えられます。
『危険マップ』の作成方法
職場のマップを用意する
まず、『みえる化』しようとする範囲の職場全体のマップ(平面図)を用意します。 ない場合は新たに作成をします。
危険箇所や危険な作業を洗い出す
従業員の参加のもとで洗い出しをします。
この場合、次のような箇所や作業が参考になります。
- 過去に災害が発⽣した箇所
- 「ヒヤリ」や「はっ」としたこと(ヒヤリ・ハット)が発生したことの多い箇所
- 危険予知活動で注意が必要とされた箇所
- リスクアセスメントで作業場の注意が必要とされた箇所や作業
危険を回避するためにできることを検討する
全員参加で検討します。
マップ内の危険箇所にマーキングをしていく
検討した危険箇所をマップにどんどん書き混みます。
マップにコメントを貼り付ける
危険個所について遵守すべき事項等のコメントも記載します。
作成したマップを周知する
従業員が集まる休憩室や掲示板等に掲示し、注意喚起や安全意識高揚を図ります。
作成の注意点
- 危険な箇所をもれなく洗い出すこと
- 作業への積極的な参加を促すこと
- 周知啓発は定期的、継続的に行うこと
完璧なものを最初から作成しようとするのではなく、全員で定期的に話し合ってどんどんブラッシュアップしていくイメージで、楽しみながら取り組みましょう。
また、外部の専門家を招いて意見を聞くのも有効な手段です。